季節のヨーガと過ごし方 9月23日「秋分」

昼と夜の時間が等しくなり、太陽が真東からのぼって、真西に沈む日です。陰陽の調和ですね。
天文学的には、秋分から冬至の前日までを「秋」とするようですが、屋久島でもいよいよ秋らしい日が増えてきました。
わが家の隣には、島では珍しいソメイヨシノの樹が植えられています。部屋からは、葉を黄色に染めて、はらりはらりと落葉する様子が見られて、「秋の景色だなぁ…」と物悲しさを感じたりしています。
 
秋分の日を中日に、前後3日を含めた7日間は、秋の「彼岸」です。先祖供養の日とされていますが、「日願」といってお日さまに願う日でもあったようです。一年の収穫を太陽に感謝する…ということで、この日には、朝は東に向かって太陽をお迎えし、夕方は西に向かって太陽をお見送りする風習が伝わる地域もあるそうです。
 
過ごしやすい季節になってきましたので、早起きして、日の出の方角に向かってヨガをするのも、いいですね。
 
 
 
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秋は空気が乾燥しますが、人の体も同様に乾きやすくなります。
心身に悪影響を及ぼすほどの乾燥を「燥邪(そうじゃ)」といいます。
 
乾いた空気は、五臓でいう「肺」(呼吸器)に負担をかけます。「肺」には体の内部から外部へと、気を行き渡らせたり発散(出す)させる作用があります。このはたらきが正常であると、皮膚は潤ってツヤがあり、汗は外に出て、そして外邪の侵入を防いでくれます。うまく作用しなくなると、皮膚の乾燥や、汗をかきにくい、風邪をひきやすい…といった症状があらわれます。
 
秋になると風邪ひきさんが増えるのも、うなずけますね。
気管支の弱い息子は、空気が乾燥し始めた途端に「ケホ、ケホ」と咳をし始めました。
 
「肺」は鼻・のど・皮膚(皮膚は人体で最大の呼吸器と言われます)・大腸 とも深い関わりがあります。
・鼻水、鼻づまり
・のどの痛み
・咳
・皮膚の乾燥、かゆみ
・コロコロ便(腸の乾燥)
 
などの症状が気になる方は、「燥邪」の影響で「肺」が弱っているのかもしれないな…と、秋の養生を意識してみるといいかもしれません。
 
 
 
~日々の過ごし方~
 
□早寝早起き
日の入りも早くなります。自然界のリズムに寄りそうように、夜更かししないようにします。
 
□乾燥を防ぐ
マスクや保湿クリーム、こまめなうがいなどで乾燥を防ぎましょう。
 
□乾布摩擦
皮膚を刺激するので「肺」の強化に繋がります。
 
□心を安らかに保つ
気持ちを外に向けるよりも、自分自身の内側に向けて、落ち着きを取り戻すように過ごしましょう。
 
 
 
~取り入れたいヨーガ~
 
□手の親指をもみほぐす
肺の経絡の終点である親指をほぐすことで、呼吸が深くなります。
 
□合谷のツボ(手の親指と人差し指の間にあるくぼみ)
便秘気味のときに…。お腹をのの字にマッサージするのも効果的です。
 
□カパーラバーティクリヤ
横隔膜を活性化し、呼吸を深めるとともに、内臓(大腸)の働きを活性化します。
 
 
 
~身体がよろこぶ食材~
 
□酸甘化陰(さんかんかいん)
漢方では、酸味と甘みを組み合わせると、身体が潤うと言われています。
例) 酸味と甘みが共存している果物、はちみつレモン、リンゴ酢 etc…
 
□「肺」を元気にしてくれる「白い食材」を摂る
例) 白ごま、白きくらげ、百合根、大根、梨、レンコン etc…
 
□辛いもの、刺激の強いものを摂りすぎない
体の水分が失われて、乾燥しやすくなります。
 
 
 
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今月のヨーガMovieは「古典の太陽礼拝」です。多くの方々に見ていただきたいので、今回は一般公開動画(無料)にしてあります。
早起きをした日の朝に、日の出の方角に向かって行ってみてください。朝食前の空腹時がおすすめです。
※初めに行うカパーラバーティクリヤは、生理中、ひどい頭痛や便秘の時は、やめておきましょう。行ったことがない方は「朝のヨーガ~ロングバージョン~」で練習してからにしましょう。
 
 
 

 
秋のお彼岸の頃に咲くと言われている「彼岸花」
屋久島では8月から咲いていました。故郷である愛知県では、やはり9月の終わりに咲き誇っていた記憶があるので、この季節感のずれを面白く眺めています。自然界の動植物たちは、日照時間や大地の温度など、様々な面でいち早く季節の変化を感じ取っているのでしょうね。
 
私たちも、自然界にただよう季節感を全身で受け取り、ささやかな変化をよろこび面白がりながら過ごしたいものだと、思っています。