季節のヨーガと過ごし方 8月8日「立秋」

今日は二十四節気で「立秋」
暦の上では秋の始まりといいますが、日本全国は猛暑の真っただ中。秋の気配はどこかに訪れているかしら…?と耳を澄ませてみるものの、まだまだ夏の声のほうがにぎやかに聞こえてきます。
 
7月のお便りでもお伝えしたように、気温と湿度の高いこの時期は「暑邪」の影響により「心」に負担がかかりやすくなります。
「心」は精神活動を司どっていますので、イライラしやすくなったり、気持ちが高ぶって眠れないという症状が現れたりします。最近は夜になっても気温が下がらないことが多いようなので、ますます寝苦しい日もあるかと思います。
 
陽の気(活動)が盛んなこの時期、「上手に休むこと(休息)」を意識して過ごすといいかもしれませんね。
 
 
 

 
 
 
さて、東洋医学では「養生」という考え方があります。私たちが本来持っている「生命力」「自然治癒力」を養い高めていくという意味です。日々の生活の中で、この健やかさを保つ力を出来るだけ損なわないように扶け、そして邪気を防ぐように意識することで、より健康な状態を目指すことができます。
 
養生で大切なことは、それぞれの性別や年齢、季節や住まいの環境によって、必要なものを選びとっていくことです。「わたしの内なる声」に耳を傾けると、自ずから心地いい養生が見つかっていくのではないでしょうか。
 
<養生のいろいろ>
 心養生(心のもち方、物事のとらえ方)
 食養生(食べるものの選び方、食べ方)
 動養生(体の動かし方)
 休養生(休みの取り方)
 因時養生(季節ごとの過ごし方) etc…
 
 
 
今日はこの中でも「休養生」を取り上げてみましょう。
「休養生」とは、休息(陰)と活動(陽)のバランスをとりながら、生命を養うことです。
休息をしっかりとることで心身は回復し、次の活動へのエネルギーに回すことができます。
心がけたいことは、
 
□質の良い睡眠をとる
夜は「気」を蓄え「血」を作る大切な時間です。できるだけ自然のリズムに沿って生活することで、眠りにつきやすくなります。
・朝起きたらカーテンを開け、朝の光を浴びる
・日中(陽の時間)は身体を動かすように意識する
・眠る3時間前はブルーライト(テレビやスマホなど)をなるべく見ないようにする
 
□湯船に浸かる
湯船に浸かることで、冷房による冷えが緩和され、ストレスによる体調の乱れを整えられます。
私の住む集落には、源泉49.5℃かけ流しの質の良い温泉があり、住民は無料で入ることができます。毎晩通っているのですが(夏は熱さが堪えますが…)お風呂に入る瞬間にはいつも「あぁ~日本人でよかったなぁ」と感じます。
 
□自然に触れる
私たちは自然の一部。ご自宅の近くに、自然に触れることのできるお気に入りスポットを見つけておくといいですね。一本の木でも、植木鉢の花でも、通勤途中に見上げる空でも…季節ごとに自然が見せてくれる美しさや懸命に生きる姿に、私たちの内側のリズムを合わせ、声をかけることで、自然はよろこび、癒しを返してくれるような気がします。
 
□香りを上手に利用する
「香り」というエッセンスは、気の巡りを良くしてくれます。お気に入りのアロマを焚いたり、少し時間をとってハーブティーを丁寧に淹れてみたり、香りの強い野菜やスパイスを食事に取り入れることで、リフレッシュ&リラックスすることができます。
 
 
 
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今月は「安眠のためのハタラージャヨーガ」をお届けしています。神経を休ませてくれる前屈系ポーズや逆転のポーズ、そして不眠にも効果のあるブラーマリー呼吸法を組み合わせています。眠りの浅くなりがちなこの時期に、ぜひ行ってみてください。
 
まだまだ暑い日が続きます。
どうぞ日々の養生のもとに、皆様健やかでありますように…