季節のヨーガと過ごし方 3月5日「啓蟄」

今日は二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」
冬ごもりしていた虫たちが、春の陽気に誘われて、地中からむくむくと出てくる季節です。
先日森を歩いていた時に、大きなテントウムシを発見!と思ったら、オオキンカメムシという虫で、葉の裏で越冬していたようです。
そろそろ春ですよ~♪
 
昔は小さな生き物のことをすべて「虫」と言ったのだそうです。蛇、蛙、トカゲ…
虫の多い屋久島が、ますます賑やかになるシーズンの到来です。
 

 
 
 
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さて、虫たちが活動を始めるのと同様、私たち人間の体も代謝が活発になります。寒い時期に溜め込んだ不要なものを出そうとする動きが高まります。そのため、「代謝」や「解毒」の役割を担う肝臓の負担が大きくなります。
 
また東洋医学では、その臓器単体ではなく、肝蔵機能も含めた広い範囲で「肝」をとらえ、以下のような働きを持つと考えます。
・全身の気を巡らせる
・精神状態を安定させる
・消化を助ける
・血を貯蔵する
・目・爪・筋に栄養を与える etc…
 
これら「肝」の機能が弱まると、以下のような症状が出やすくなります。
 
 
 
【現れやすい症状】
イライラ、不眠、めまい、頭痛、目の充血や乾燥、眼精疲労、まぶたがぴくぴくする、爪がもろくなる、こむら返り、しびれ、血圧の上昇 etc…
 
気の巡りや、血を蔵する役割を担う「肝」は、女性の月経にも深い関わりがあります。
ストレスなどで気の巡りが悪くなると、血の巡りも悪くなり、月経周期の乱れや月経痛を引き起こしたりします。
婦人科系の働きと「肝」は大きなつながりがあるので、この時期の養生が大切です。
 
 
 
【肝を落ち着かせる養生】
・体側を伸ばす
肝臓の経絡(ツボの通り道)は足の親指に始まり、体側を通り、頭頂に通じています。
体側を伸ばすことにより、詰まりやすい肝気が流れやすくなります。
 
・ゆったりのびやかに過ごす
「肝」はのんびりを好みます。ストレスを溜め込んだり、イライラしたりすることは「肝」を傷つけます。年度が変わり、やることも多い時期かもしれませんが、なるべく心穏やかに過ごしたいものです。
 
・深呼吸する
「肝」の気は上昇しやすいので、頭部の症状や、血圧の上昇、感情の高ぶりなどがあらわれる傾向があります。下腹で深い呼吸をすると、落ち着きやすくなります。
一日に少しの時間でもいいので、腰を下ろして深呼吸をするだけでも、心や体の状態に変化があることでしょう。
 
・肝臓のこんにゃく湿布
20分ほど茹でたこんにゃくを、タオルに包んで丁度良い温度にします。それを右わき腹に当てて20~30分ほど仰向けで休み、最後は冷たいタオルで拭いて仕上げます。
表面的に出ている症状も、原因はもっと根っこにあることがあります。もの言わぬ臓器たちに、時々声をかけて労ってあげるといいかもしれませんね。
 
 
 
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なにかと体調を崩しやすい春先ですが、少しずつ養生を取り入れながら、気持ちよく日々を過ごしたいですね。
今月のヨーガMovieは「解毒力を高めるヨーガ(short.ver)」です。お楽しみに…