季節のヨーガと過ごし方 12月22日「冬至」
今日は二十四節気の「冬至」
太陽の高さが最も低くなり、昼の時間が一年で一番短くなる日です。
私が今住んでいる尾之間という集落は、屋久島でもほぼ南に位置しているので、一年で一番、太陽と海が寄りそって見える日なのだなぁ…と思うと、なんだかうれしくなりました。
屋久島は円に近い正五角形のような形をしていて、中央には神々が住むといわれている2,000m級の山々がそびえ立ちます。その周囲を取り囲むように人が住まわせてもらっていて、島一周をぐるりと県道が走っています。だいたいどこを走っていても、海を見ることができるので、「今日はどんな表情をみせてくれるかなぁ…」と心を寄せるのが、日課になっています。
「自然はこちら側が心を開いてさえいれば、いつだって大切なことを教えてくれているよ」
これが誰かの言葉だったのか、本で読んだ一節だったのか、自分の中におりてきたインスピレーションだったのかは…忘れてしまいました。
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今日は「陰陽論」について、掘り下げてみたいと思います。
「陰陽論」とは、世の中のすべての事象は「陰」と「陽」の二つのバランスで成り立っているという考え方です。
「陰」・・・拡散していく遠心的なエネルギー 静的
「陽」・・・収縮していく求心的なエネルギー 動的
人間の健康に当てはめると、この二つの性質がうまくバランスをとっているときは健康であり、それが崩れると病が発症すると考えられます。
「陰陽図(太極図)」
この図を目にしたことがある方もいらっしゃると思います。
陰と陽のバランスがとれている状態をあらわしています。
黒い部分が陰で、白い部分が陽です。
陰の中にも陽(白い丸)があり、陽の中にも陰(黒い丸)があります。
この陰陽の関係性には、四つの法則のようなものがあります。
【陰陽の対立】
自然界のすべての事象には、いずれも相互に対立する二つの面が存在しています。
天と地、昼と夜、日と月、男と女 etc…
そしてそれぞれの中にも、また陰と陽があるのです。(例えば女性であるわたしの中にある、母性と父性)
【陰陽の互根(ごこん)】
陰と陽は互いに対立していて、また一方で依存しあってもいます。
昼があるから、夜があります。大地があるから、天は天になるのです。
【陰陽の消長(量の変化)】
太極図をぐるりと一周するイメージで見てみると、陽が増すと陰が減り、陰が増すと陽が減るのがわかります。
陰と陽の関係は、常に一定ではなく、変化を繰り返しています。
例えば季節に当てはめてみると、陽の気が盛んになる春から夏にかけては、陰の気は衰えていきます。
逆に、陰の気が盛んになる秋から冬にかけては、陽の気は衰えていきます。
【陰陽の転化(質の変化)】
ある段階まで発展すると、陰は陽に、陽は陰に転化(変わる)することをいいます。
夏の暑さ(陽)が峠を越えれば、秋の涼しさ(陰)がやってきます。
冬の寒さ(陰)が極まると、春の暖かさ(陽)がやってきます。
「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」
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今日は冬至なので、「陰」が極まっているころといえます。
ここから夏至に向かって徐々に日は長くなっていくので、古代には、冬至が一年の始まりだったそうです。
寒さも厳しく、明るい時間も短いですが、ここから陽が増して新しい年が始まると思うと、なんだか一筋の光明が差したような、希望を感じます。
この日をきっかけに、古い一年のゴミ(必要ない感情や手放したい思考など)にはさようならして、新しい一年をまっさらな心で迎える準備をしたいものです。
ちょうど昨日読んだ本からいただいた、私を元気づけてくれた一節を、ここにシェアさせていただきます。
「心の安らぎは、お金や物だけでは得られません。幸福と快さを心が感じるためには、欲望や怒りや無知から自由になることが必要です。ダライ・ラマは、生命の本質は心であってその心を訓練することで、快さと安らぎを得られる源(善き心)が生まれると語っていました。善き心は、温かい慈悲の心、利他の心を育てるのです。ダライ・ラマは、一人一人が自分のなかにある心の本質を磨き、見つけることから始めなさいと説いているのです」
(引用「チベット死者の書」河邑厚徳・林由香里著 NHK出版)
ヨーガでも、体のコントロールより心のコントロールの方が難しいと説かれます。
しかし、訓練次第で心を善き方向へと導いてゆくことはできる…そしてその心持ちで、周りの世界の見え方はいかようにも変化させてゆける…
新しい一年の幸福は、それぞれの手の内にあるのですね☆
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この時期は、気血を消耗せず、来年の春に向けてエネルギーを蓄えるように過ごしたいものです。
必要のない行動を控え、激しい運動や多量に汗をかいて消耗することを避けましょう。
心身を穏やかに満たすような、ゆったりとしたヨーガがお勧めです。 → 「ヨーガMovie」