植物の叡智「梔子(くちなし)」

立夏の【屋久島サンクチュアリウォーター】にも使われている「梔子」
今日はこの植物について、心寄せてみます
 
 

 
 
分類:常緑低木
学名:Gardenia jasminoides
漢字:梔子、口無(和名のクチナシは「口無し」という意味で、果実が熟しても裂けないことに由来するといわれています)
別名:ガーデニア、センプク
科名:アカネ科(コーヒーノキやヘクソカズラ(サオトメバナ)なども同科)
属名:クチナシ属
原産地:台湾、中国、日本(関東以西)
花言葉:幸福、優雅、私は幸せ者、喜びを運ぶ、洗練
 
 
代表的な含まれる精油成分のうちのリナロールには鎮静作用、抗不安、抗炎症作用があり
心を落ち着かせたいときに作用してくれる成分
ネロリやベルガモットなどの柑橘系、ラベンダーやゼラニウム、クラリセージやイランイラン、月桃などのうっとりする女性性を高めてくれるような植物にも含まれています
 
 
世界三大香木のひとつで「春はジンチョウゲ、夏はクチナシ、秋はキンモクセイ」
季節ごとのシーンを思い出す、心に残る香りです
 
 

 
 
果実は「山梔子」と呼ばれ、疲労回復効果が期待され、東海道の名物料理や漢方薬として使われてきた歴史もあるようです
私は知らなかったのですが、地元愛知県名古屋市では「黄飯」というものがあり、黒豆が上に乗っていて、端午の節句に食べる習慣があるそうです
この黄色には魔除けや邪気払いの意味が込められている縁起の良いもの
来年は息子と一緒に作ってみようかと思います
 
 
お正月にはお節料理の一品「栗きんとん」の色付けで、この実を使ったりしていましたが
なかなか手に入らないので食材専門店で買い求めていました
屋久島にはあちらこちらで目にすることができるので、恵まれているなぁと感じます
 
 
昔は「たくあん」や「高菜」など漬物の色付けにも使われて
防腐効果もあるとされ、携帯食としても使われていたそうです
 
 
布の染料として使われてきた歴史は飛鳥時代にさかのぼり
梔子色(=支子色)は江戸時代を通して人気の色で
これと紅花を重ね染めした「黄丹」という色は曙の太陽の色とされて
許された人しか身に付けられない「禁色」のひとつになっているそうです
 
 
いろんなことを紐解いていくと、植物との距離が近くなったようで
またひとつ彼らとの会話の材料が増えたようで、うれしくなります